花はなぜキレイなのか? 花の色の意味を調査! [調査、評価]
花はなぜキレイなのか?
花の色の意味を調査!
花はカラフルで綺麗ですよね。
花屋さんで売られている花の中でよく売れるのは「ピンク」だそうです。
ついで、赤、紫、白・・・と続きます。
花がきれいな色をしているのは、花の役目が「種」をつくって子孫を増やすことだからです。
花をつける植物のことを「被子植物」と呼びます。
種子が果実に包まれている植物。
種子を作るために花があるというわけです。
種子を運搬するには、花粉を運んでくれる虫たちを呼ぶ必要があります。
そのために、花達は昆虫たちに目立つ色をしています。
昆虫と花の関係
色彩の起源
数億年前は地球上のすべての動物の目はまだ色盲です。
地球のほとんど白と黒の世界で、わずかに緑色を認識できるていどだったと言われてます。
理由は緑の植物のみ食料だったので色を識別する能力は必要なかったからです。
花の出現が色彩の始まり?
動物が色彩感覚を必要になったのは動物と植物の共存関係が始まってからです。
それは1億3000万年前に「花」の出現により動物と植物とは切っても切れない仲へと発展し,それが色彩の認識へと進行していったのです。
美しい花を咲かせる被子植物の木や草花が地球を覆い、その木の実や草を食べる哺乳動物が誕生したのです。
このように花の誕生は生物の進化に重要な転機を与えました。
現在の動物が持つ色彩感覚の認識時期というものは、花の誕生時期にぶつかっており花の誕生が色彩感覚を身につけたと言ってもいいでしょう。
昆虫(甲虫 )の色彩
図:参照ウィキペディア
植物に寄生する昆虫(甲虫)はわずかに緑を意識できるであろうし、動物の死骸などをあさり、いつも土の上で生活していた甲虫はうすく赤色を認識したでしょう。
生きるために必要な色だけ認識出来る能力を身につけます。
それまで花といえばすべて白色の胞子であったが、甲虫にとっては現在も、花粉や蜜を食べにくるのはほとんど白い花にかぎられる。
甲虫にとって白色が一番わかりやすく、そしてなによりも白い花は大抵紫外線を吸収してしまうので安全であるのです。
今いる甲虫の多くは、その生活環境に合わせた、緑とか赤とかのただ一色の色覚ををもつものと考えられています。
基本的に昆虫は白色の花を好みます。
ハチの色彩
※ハナバチ 図:参照ウィキペディア
甲虫はものすごく種類が多く、なかには突然変異的にまったく違う形態へ進化し、ハチは新しい昆虫種となって色覚を持つようになります。
ミツバチについてはノーベル医学・生理学賞を受賞したフォン・フリッシュ氏の実験などにより、ある程度その色覚能力が解明されています。
1億3000年ほど前、突然花が現れたのです。
花は花びらとオシベ、メシベを最も目立ち、見やすい黄色でした。
ところがハチはまだ黄色の色を識別出来てませんでした。
ハチの棲んでいた環境はほとんど青緑一色で、地面の赤と空の青はほとんど目に入らず、黄色い花はただ少し明るい緑に見えたそうです。
そこで花はハチを受粉に利用しようと考え、花粉に高い栄養価をもたせ、さらに花弁の奥にあまい密をほどこしました。
いままで木の葉と死骸ばかりを食べていたハチは生活の糧を花へと移した。それがハナバチです。
ハナバチは黄色い花と長い間生活しているうちに、いつしか黄色を新しい色彩として認識するように進化しました。
ただ、花のオレンジ色とか黄緑とか、微妙な色の区別は難しく、同じ色と判断した。そして、ハナバチのなかから、密だけを求めて集団を組む種が現れ、それが今のミツバチとなったそうです。
花も昆虫に運んでもらうために蜜を作ったり色々考えているのですね。
ミツバチの見える世界はエサのありかを示す黄色と、草の葉の青緑と、空の青だけであった。そしてハナバチの多くはその後も進化を続け、青より若干波長の短い紫も認識できるようになっています。
花の色の特徴
黄色
昆虫が最も好む色は黄色といえるでしょう。
ミツバチにとっては黄色は目的の色です。
またチョウにとっても、紫や赤のあざやかな色彩に惹かれるが、その花の中の黄色い部分にミツや花粉があることをよく知っているそうです。
赤色
図:参照GANREF
赤や紫色は花が、チョウによってもっと遠くまで花粉を運んでもらうために造り出した、黄色よりもより鮮明で刺激的な色なのです。
チョウを引きつけるにはチョウを刺激し、そして興奮までさせる色彩が必要で赤色はまさにチョウを興奮させるのです!
また鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花の植物は80%が赤い花が占めます。
鳥媒花とは、鳥類を利用して花粉を運び、受粉する植物のことである。
この鳥媒花の特徴は花には模様が無いものが多く、鳥が止まりやすいよう、花器は固くなっています。
虫媒花の植物に比べ花期が長く、匂いがほとんど無いのです。
これは鳥の嗅覚が鈍いためである。 蜜は大量に出し、味は割合薄くなっている。 また、ほとんどが昼に花を咲かします。
赤い花というのは野生ではまばらに生えているだけです。
青色
図:参照 写真素材館ラクア
青い色を持つ花は自然界では小数派であり、その仕組みも一様ではありません。
またアジサイのように、同じ植物でも植えられている土壌の違い(pHやアルミニウム成分の量)によって、花の色が変わる例もあります。
青色の花が少ないのは、青色を認識できる昆虫が少ないからということになる。
青色を認識出来ると言われてるのは、チョウやミツバチなど少数です。
現在では鑑賞用に人工的に花を青色にする技術が進んでます。
白色
図:参照 パタゴニア暴風警報
白色の花は色素がなく花びらの内部に気泡がありめす。
この気泡に光があたったとき、反射光によって人の目には白く映るのだそうです。
つまり、透明なのです。
枯れた白い花は透明になります。
例えば、ビールを想像していただいてもわかりやすと思います。
ビールの液体は黄色いのに泡は白いです。
あれも気泡による効果です。
色素のいらない原始的な花として白い花は古代から黄色にも劣らないほど昆虫たちに親しまれてきたのです。
黒色
図参照:藤花日記:黒いペチュニア
もともと花の色素に黒はないです。
また黒色は、虫やチョウには見えないと言われてます。
クロユリや黒いチューリップは、黒っぽく見えますが、赤や紫の色素が濃く集まったものです。
昆虫にとって黒色は得体のしれない不気味な存在なのです。
自然界(野生)では何色の花が多く生息するのかというと以下の通りです。
・白 3割以上
・黄 3割
・青~紫 2割
・赤~橙 1割
花の色素の元になるのは、アントシアン、カロテン、フラボノイドという物質です。
•アントシアンは、赤、青や紫色のもとになります。
•カロテンは、黄色、だいだい色のもとになります。
•フラボノイドは、うすい黄色のもとになります。
この3つの色素がまざりあって色々な花の色となります。
白色を好む生き物
コガネムシ、カミキリムシ、ハムシ、ゾウムシ、ハナムグリなどの甲虫
黄色を好む生き物
ハチ、ハエ、アブ
赤色を好む生き物
鳥
チョウは種類により好みが違います。
アゲハチョウは赤い花
モンシロチョウは白と黄色
ギフチョウは紫が好きな色だといわれています。
人と昆虫では色も別世界!
昆虫は紫外線や花の匂いも活用して花を探します。
じつは、チョウや昆虫の目は紫外線を見ることができます。
私たちは、赤、青、緑の光の三原色しか見ることはできません。
光の中には、紫外線や赤外線もあります。チョウや昆虫は、紫外線も見ることで、花などを見つけています。
アネモネは私たちにとっては白色に見えますがUV光のもとでは、ほんのりピンクがかっています。
デルフィニウムは自然光で見ると紫色の花ですが、UV光のもとでは花の中心がUVを吸収して黒くなり蜜や花粉があることを虫に知らせています。
人には黄色い花や白い花も昆虫には淡い青色に写るとも言われてます。
人の見えない紫外線を通して昆虫は見ますので、人の世界とは色彩感覚も違ってまるで、違う世界観がひろがってます。
※紫外線を照射したアーティチョーク 図:参照朝日新聞デジタル
※紫外線を照射したネギの花 図:参照朝日新聞デジタル
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花が美しいのは何のためかといえば、それは目立つためでしょう。
花の役割は、虫を呼び寄せて受粉し種子を作って子孫を残すためにあるのです。
花が葉の色と同じ緑色では葉の中に紛れてしまい虫たちも探せず困ってしまいます。
花が色とりどりで綺麗なのは目立つためと言う理由ははっきりしてます。
なぜ人の目から見ても花は綺麗に見えるのかと言うと様々な意見があり本能なのか感性なのかはっきりとわかっていません。
ひょっとしたら人の目にも綺麗に映るように花が咲いてるのかもしれませんし、
花を美しい物と捉える人の感性が育ったのか、またまた、万物綺麗なものは綺麗という宇宙の法則が働いてるのか、考えると切りがありません。
でもきっと人の目にも綺麗に映る理由はあると思います。